おわりに1

 ~コロナ禍の今、感染症を含め、病気に対する考え方を根本的に見直すことが必要~

 

 本書は、健康雑誌「壮快」(2018年1月号~2021年2月号)の「自然派医師が土をいじる。菌とたわむれる。」という連載記事を加筆・修正してまとめたものです。

 私は20年ほど前から、専門である医学をはじめ、世の中のあらゆることの本質とは何かということを探究してきました。そして、自分の気持ちに正直な生き方をしたいと考え、自分なりに情報を集め、さまざまな実践を重ねてきました。

 現在では、「自然に沿って生きていく」ということが、私のコンセプトになり、日々の生活を楽しみながら、私のたどり着いた考えをお伝えしています。

 

 そのなかで、菌などの微生物は必要以上に排除するべきではなく、むしろ適切なかたちで接触したり、摂取したりするほうが大切であることを解説してきました。

 

 かつて微生物による感染症は、人類最大の脅威であり、特に、幼少の子どもではとても死亡率が高く、いつ命を落としても不思議ではない状態でした。同様に、免疫力や体力の落ちた高齢者も、かなりの割合が亡くなっていました。ですから、あらゆる方法で微生物を排除しようとする動きは、人類の歴史に必然であったともいえます。

 そして歴史を見ると、世界のどの先進国でも、上下水道の普及とともに人の生命を脅かす重篤な感染症(コレラ、赤痢、腸チフス、パラチフス、天然痘、発疹チフス、猩紅熱、ジフテリア、ペスト、麻疹、百日セキ、結核など)は自然に激減します。ところがその後、感染症による死亡が少なくなってからも、消毒法や抗生剤などが登場し、微生物を排除する流れが加速するのです。

 農薬や除草剤、防虫剤、そのほかの公害、放射能などのあらゆる化学物質は、土や環境の微生物を激減させました。抗生剤は(必要のない)カゼなどの感染症やあらゆる病気の予防として使われ、畜産などにも利用されています。食品添加物(防腐剤、保存料など)は、食べ物の微生物を減らし、洗剤、石けんなどあらゆる抗菌グッヅは身の周りの微生物を排除しています。

 このように、現在、身の周りの微生物は可能な限り少ないほうが衛生的で健康にもいいという考えが普通になっています。

また、VPD(ワクチンで予防可能な病気)という言葉がありますが、これは「どのような軽い感染症でもワクチンで防げるものは防ぎましょう」という意味で使われています。

 これらも、「微生物や病気にかかることは悪である」という考えからきています。近ごろではこうした考えがさらにエスカレートし、子どもにワクチンを打たせない親が虐待だと責められることまであるのです。

  ~今日はここまでです~

 

もし、安保先生とこちらの本間先生が対談していたらと思うと、ワクワクしてしまう王子です(笑)。

昔、「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」というフレーズがTVCMであったかと思いますが(古いです)?

今は、どんなフレーズがウケるのでしょうか。「色白がイイね、美しくあってほしい」あたりでしょうか?

これからの世代、子育て世代のみなさんに読んでいただきたい1冊です。続きます。    温王子でした・・・