最後のむかえ方 ~最終回~

それを熱心に検査をして見つけて手術や放射線治療、抗がん剤治療を行なうと、生きる力が奪われて生き延びることができません。激しい治療をするので体はつらくなり、低体温、低酸素状態になるので、解糖系でエネルギーをつくり始めるために、ますますがんが分裂増殖をし、進行してしまいます。

がんを治療するよりも、温泉や岩盤浴、お風呂に入って体を温めることです。

 長寿のお年寄りは、免疫力が高くNK細胞、胸腺外分化T細胞に力があり、活性酸素をつくる能力が低くマクロファージの貪食能とサイトカインの産生能力が上昇しています。老化によって体内にできた異常な細胞を監視し処理するための自己抗体で身を守っています。体を温めてできるだけ自己抗体をつくることです。そうすれば、最後まで体温を維持し血流を維持し細胞や組織が新陳代謝を維持していきます。

 目指すのは老衰です。昔はお医者さんが自宅で看とり死亡診断書を書いてくれましたが、自宅での突然死は、警察が来て事件性がないかと調べられ、解剖にまわされてしまいます。死亡診断書がないと埋葬できませんから、いざというときには、息のあるうちに救急車を呼んで病院に連れていくことです。在宅訪問医療を行う意思を見つけるタイミングは足腰が弱ったときです。自分の意識がなくなった後の治療や死後の埋葬などについても、生前から家族に話をしたりリビングウィルとして書き留めたりする人が増えています。遺された家族に迷惑をかけない最後のむかえ方を考える「終活」は、一生懸命生きる力につながります。  以上です・・。

 

チョット長くなりますが・・おわりに

 

 体のしくみが理解できると、なぜ自分の症状が起こっているのか、体の声を理解することができます。体の声が理解できると、その対処を自分で行うことができます。休んだほうがいいのか、温めたほうがいいのか、運動したほうがいいのかなど、体をいたわりからだのことを考えて行動できるようになります。  つまり、自分自身がいちばんの主治医になれるわけです。

 「主治医」とは、かかりつけの医師、自分が病気になったときに診察や相談に通う医師のことですが、本当の主治医は病気を診るだけではなく患者さん自身の性格や生活環境までの全体を診る医師のことだと思います。

 そういう医師は、私がいつもいうように「病気になる前になにかありませんでしたか」「病気になる前に心配事や悩みがありませんでしたか」という言葉を患者さんに問いかけるはずなのです。そして患者さん一人ひとりに合わせた養生法を説いていけるはずなのですが、今の医師にはなかなかその余裕はありません。  だからこそ、自分が「主治医」になるべきです。

 その意味は「主*に自分の病気を治*す医*師」です。自分の病気を起こしたのは自分ですから治せるのも自分自身、自分の体を治すことのできる医師は自分なのです。自分の体を自分で治すには医師免許は必要ありません。

 医療は、体のしくみを理解し、病気の成り立ちを解明してこそ変わります。

 病院や医師を責めても何も変わりません。体のしくみや医学の知識が足りない医師を責める前に自分自身が病気にならない生き方をする、病気になっても自分が免疫力を使ってコントロールできるようになる、進化した臓器を上手く使い続けていく、それは自分が実践してこそ極意をつかむことができます。

 私の理論が、医学界に浸透し医療を変えるにはまだまだ時間がかかります。

 ですが、私の理論を実践し、体のしくみを活用して病気から脱却し、本当の健康を手に入れた喜びの声はたくさん寄せられています。私の大きな心の支えになっています。今後も医療のあり方に言及し続けていきたいと思います。

                           安保 徹