HSP最終章(がんとマイルド加温療法)

43℃以上に加温し、がん細胞を死滅させます。がんの温熱療法で一番重要なのは温度です。一般に細胞は43℃以上では死滅し、42℃以下では生存します。がんの温熱療法は、この細胞の生死を決定する1℃の温度差を利用します。がんの部位を43℃以上に加熱し、がん細胞を死滅させます。がん細胞は自ら血管増殖因子(血管を増やす因子)を出して多くの血管を作るので、がんの周りには多くの血管が張り巡らされています。しかし、がんの作った血管は正常血管とは性質が異なり、とてももろいのです。正常血管は温められると広がり、熱を血流に乗せて全身に運び去ってしまうので、その部位を温めてもあまり温度は上がりません。しかし、がんの血管は加熱しても広がらないので、熱が逃げられず癌の部位に熱がこもって熱くなります。そして、がん細胞が43℃以上になると死滅するのです。正常な部位は43℃以上になる前に熱が逃げるので生存できます。以上が「温熱療法」の簡単な説明となります。次回はマイルド加温療法についてです。温王子でした・・・